景気ってなんだろう 岩田規久男 ちくまプリマー新書

Publié le par Connaissances LIVRESQUE

Bonne année!!
新年明けましておめでとうございます。
2009年一発目のレビューは今年はガリガリ経済勉強するぜ、の意味を込めて高校生向けの本を選びました(笑

【著者】
1942年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院修了。現在、学習院大学経済学部教授、深く確かな理論に裏付けられた、幅広く鋭い現状分析と政策提言はつねに各界の注目を集めている。

【章立て】

序章:景気とは何だろう
第一章:景気はなぜ良くなったり悪くなったりするのだろうか?
第二章:設備投資は南極探検のようなものだ!
第三章:日本の景気は海外の景気とどう連動するか
第四章:お父さんの会社は景気とどういう関係にあるのか
第五章:いろいろな価格は景気とどう関係するのか
第六章:景気を安定させる方法はあるのだろうか?
第七章:インフレにどう対応するか?
付論:イワタ流景気動向指数の見方

【内容と寸評】

さすがに高校生向けの新書だけあってとってもわかりやすい。
しかし経済初心者の大学生が読んでも読み応えはあるし、この一冊をしっかり頭に入れておくだけでも新聞の理解度は大きく違ってくるかなと思います。この本の一番良いところは、論理プロセスを軽視していないところ。普通のビジネス書なら、「わかってて当然」とさほど本論に関係のない部分の説明は飛ばしていますが、さすがに入門の入門だけあって用語の説明もしっかりなされており、痒いところに手が届く良い本です。

あれってどうなんだっけ?

といまさら人に聞けない経済学の基礎をわかりやすく教えてくれます。
特に、高校のときに苦労した為替や公債の価格と金利の関係もわかりやすく書かれており、どうしてもっと早くにこれを手に取らなかったんだと後悔しています。

基本的には景気っていうのは主に国内総生産に対する需要が大きな影響を及ぼす。そしてその需要を構成するのが設備投資であり、住宅投資であり、家計の消費であり、それ以外のいわゆる外需(輸出)である。各章ではそれらについてひとつひとつ検討を加えて、景気とは何かを解き明かしている。

クルーグマンが読んだら真っ向から反対するような説明もなされていて気になるところですが、何度でも読んで本論の論理構成を身体に染み込ませることをお勧めします。そうすればある程度は、経済に関して自分で考えることができるようになるのではないかと思いますよ。
Pour être informé des derniers articles, inscrivez vous :
Commenter cet article