とてつもない日本 麻生太郎 新潮新書

Publié le par Connaissances LIVRESQUE

総裁選キャンペーン第2弾(そして最後)、麻生太郎氏。
組閣も終わってみたら、何がしたいのかよくわからない布陣。
いっそ、外務大臣兼任(よくある話)しちゃえば面白かったのに、中曽根Jrとか意味不明なんだよね。

【著者】

麻生太郎
1940年生まれ。学習院大学卒後、青年会議所会頭を経て、79年初当選。政調会長、総務大臣などを歴任。
モントリオール五輪にクレー射撃の代表で出場。

【章立て】

第1章:アジアの実践的先駆者
第2章:日本の底力
第3章:高齢化を讃える
第4章:「格差感」に騙されていないか
第5章:地方は生き返る
第6章:外交の見取り図
第7章:新たなアジア主義ー麻生ドクトリンー

【内容と寸評】

先日の与謝野氏と異なり、大変読みやすい。そして耳障りが大変よろしい。

「日本は世界でも注目されているし、全然悲観することない!」

だが、そこが実は罠だったりして、あんまり内容に富んでいない。
ビジョンありきで、そこで終わってしまっている気配が濃厚である。
夢を描くのはいいけれど、「で、どうする?」のところが欲しいなと思うし、「言うは易し」でしょ?と思うところでもある。

基本的に、日本の今の社会を語り(2章、4章)、高齢社会についての見解を述べ(3章)、地方分権に触れ(5章)、お得意の外交へと話が及ぶ(6章、7章)。

つまり、話が飛び飛びで、かつ重要な経済政策についてはほとんど語られていない。
確かに彼は、上げ潮でもなく両輪でもない、かなりあやふやな姿勢ではあるが…

彼の主張は、「インドでの日本技術者の活躍」や「運送会社で働く高齢者たち」など、実例が挙がっているのは良いが、それだけをもって、すべてを語ろうとしているようで、どうにも軽い感じが否めない。

お得意の外交も、言いたいことはわかる…が、それが出来たら苦労はしない。

というようなもの。

あの内閣で本当に「自由と繁栄の弧」は築けるのか …
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